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福島県双葉郡広野町立広野中学校ホームページ

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第67回卒業証書授与式

平成26年3月13日(木)、
第67回広野町立広野中学校卒業証書授与式が挙行されました。

今にも泣き出しそうな曇天の下、式場として飾られた体育館が今日は違った雰囲気に
包まれていました。
震災後、初めて本校で1年を通して学校生活を送ることができた喜び、そして巣立っ
て行く寂しさや未来への溢れる希望。そんな様々な思いが次から次へと心の中を交錯
しながら、卒業生12名が全員そろって入場してきました。

卒業証書授与では、担任の滝澤先生から一人一人、思い出を反芻するかのように丁寧
に、そして力強く呼名され、ステージ上で元気に返事をする卒業生たち。
校長先生から手渡された瞬間、どの顔にも達成感に満ちあふれた表情を浮かべていた
のが印象的でした。



学校長式辞では、「『中学校の全課程を修了したことを証する』の18文字に隠れて
いる義務教育9年間の重みを感じ取ってください。」のフレーズが、生徒たちばかり
でなく、保護者や教職員、そして町長をはじめとする町関係者の方々の胸に、深く刻
み込まれた思いがしました。

彼らの9年間の最後となるこの3年が、どれだけ多くの方々によって支えられ、励まさ
れ、そして、どれだけ大きな困難を自ら乗り越え、この日を迎えることができたのか
に想いを馳せずにはいられませんでした。

卒業生答辞では、今年1年間、生徒会長として事あるごとに生徒たちをリードしてきた
根本千奈津さんが、思い出のスナップ写真を一枚一枚めくっては語りかけるかのよう
に、大切に一言一言を述べていました。



最後は卒業生と在校生が向き合い、式歌を合唱しました。
卒業生たちは真っ赤な目で顔をくちゃくちゃにしながら、歌声に思いを込めて歌って
いました。
子どもたちの成長した姿に、こぼれる涙を抑えきれない保護者の方々の姿がとても印
象的でした。



--------------以下、卒業生答辞全文-----------------------
例年になく雪の降る日が多かったこの冬も過ぎ、ここ「東北に春を告げる町 ひろの」
の地にもその名にふさわしい春の風がやさしく吹き始めています。
今日、平成26年3月13日...、私たち12名は、ここ、広野中学校で卒業式を迎え
ることができました。私たちの三年間の思い出のすべてが同じフィルムの中におさめら
れることはありませんでしたが、一人ひとりがさまざまな思いを胸にこの場所に立って
います。そして今、広野中学校の卒業生として卒業証書を手にすることのできた喜びと、
いよいよお別れの言葉を言わなくてはいけない時が来てしまったという名残惜しい気持
ちとが入り交じった、複雑な心境に震えています。
 只今は、校長先生や来賓の皆様方の温かいお言葉さらには、在校生からの励ましの言
葉を頂き、私たちはただ、感激で胸がいっぱいです。思えば、三年前……。小学校の卒
業式も震災のために挙げられないまま、私たちは県内外のそれぞれの場所で広野中学校
ではない学校の門をくぐり、中学生としてのスタートを切りました。一人一人それぞれ
事情は違いますが、避難先から通うようになった人、なかには中学校の入学式も迎えら
れないまま見知らぬ学校の教室に一人戸惑いながら、ある日いつの間にか通うように
なった人もいました。いわき市内の中学校に入学した私は、離ればなれになった友達の
ことを時折思いながら、一方で、今の環境になじめないでいる自分の姿を家族に悟られ
ないようにしながら、毎日過ごしていたような気がします。

 一年生の一学期が過ぎようとしていたとき、湯本二中で広野中学校が再開されるとい
う嬉しいニュースが飛び込んでさました。私は広野中学校に通うことを決めました。知
佳さん、由佳さん、帆南実さん、夢乃さん、莉奈さん、私を含めた女子六人が 湯本二
中の校舎に集まりました。私が広野中に入っていちばん良かったと思ったことは、気が
ねなく話せる友達が毎日すぐ近くにいてくれることでした。それは、今ここにいる三年
生みんなが、共通していちばんに実感していることだと思います。もし、あの時、広野
中が再開していなかったら…、もし、あのままいわき市内の学校に通い続けていたら…、
もし3月31日に震災がなかったとしたなら…、と、過去の時間を巻き戻しして、あの
時、あの時と、運命の分かれ道を辿って別の未来を想像したとしても、合わせ鏡の中に
迷い込むだけで、今の自分に役立つ何かが見えてくるはずもありません。また、運命を
嘆いたり、悔やんだり、怒ったりしても未来が明るく変わるわけでもありません。今、
ある状況の中で、精一杯の自分を発揮すること、今 置かれている環境の中で自分の幸
せを捜すこと、それが、震災を通して私たちが成長し、学んだことだったのかもしれま
せん。

二年生の二学期、広野町の本校舎で、広野中は再開しました。私たちが入学式を挙げら
れなかった本当の広野中学校が、そこに待っていました。一度も通ったことのない学校
だったのに、「ここがあなたの本来通うべきだった学校だったのよ」と言われているよ
うな気がして、思わず「帰ってきたよ」と言いそうなくらい、懐かしい気持ちになりま
した。時を同じくして、昂也君、裕太君、遥さん、真奈さんが広野に戻ってきました。
それから、私たちはたくさんの思い出を一緒につくることができました。クラスのきず
なを深めた校内レクリェーション大会……。みんなで行き先を考えたり、準備を重ねた
東京への学習旅行……。三年生になると、陽奈さん、花香さんが加わり、三年生は現在
と同じ数の12人になりました。その12名、全員で行ったのは、待ちに待った修学旅
行でした。

京都では、金閣寺、竜安寺、仁和寺、清水寺など友達と一緒に、有名な古利や名所を巡
り歩きました。写真でしか見たことのなかったお寺や庭園を見た時、大きな驚きと感動
が沸き起こりました……。そして、友人とはしゃいで過ごしたホテルの夜……。私は、
その夜の楽しさを忘れることはできません。11月の広蛍祭では、去年の先輩方の熱い
思いも受け継いで、自分たちの牛で、自分たちらしく、精一杯の演技を披露することが
出来ました。
姉から聞いていた広蛍祭……。先輩達が作り上げてきた広蛍祭……。広蛍祭は、私たち
三年生のきずなをよりいっそう深めてくれました。あのときの達成感と感動は、一生忘
れません。
 再開後、私たちは多くの方々に支えていただきました。全国から送られたたくさんの
支援の品々や応援のメッセージ。こんなにも多くの方々が私たちのことを応援してくだ
さっているんだと、心に強く感じました。私たちは震災で多くのものを失いましたが、
失ったものだけではありませんでした。新しい友達や思い出など、かけがえのないもの
を得ました。これから先、たとえどんな困難があったとしても、私たちは広野町に戻る
ことができた喜びの日のことや、今まで支援してくださった全国の人びとの熱い思いを、
忘れずに乗り越えていきたいと思います。

 校長先生はじめ、担任の滝渾先生、そして諸先生方には、私たちがくじけそうになっ
た時、あるいは悩み苦しんでいる時、また、時には、ご迷惑をおかけしたこともありま
したが、いつも温かい目で見守ってくださり、最後まで親身になってご指導していただ
きました。本当にありがとうございました。
 在校生の皆さん、思い出つきない中学校生活を送らせていただき、本当にありがとう。
私たちは皆さんに先輩らしいことを十分にしてあげることができなかったかもしれませ
ん。しかしたちの分まで、この中学校を大切にしていってください。お願いします。皆
さんならきっと、私たちのあとを引き継ぎ、立派な伝統を創り上げてくれるものと信じ
ます。
 最後に、震災後、大変な状況の中でも私たちのことを第一に考え、支えてくださった
お父さん、お母さん、本当にありがとうございました。お父さん、お母さんの励ましの
言葉や厳しい言葉があったからこそ、今の私たちがいます。
本当に感謝しています。今、卒業のときを迎えて、初めて皆様からいただいた言葉の意
味がずしりと重く感じられてなりません。
こうしてお別れの言葉を申し上げている間にも刻一刻と、別れの時が近づいてまいりま
した。名残はつきませんが、最後に卒業生全員、未来に向かって前進することを誓い、
お別れのことばといたします。

平成26年3月13日 卒業生代表 根本千奈津

category: 行事

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